選考中にできる3つの「内定辞退」防止策

選考中にできる介護人材の内定辞退防止対策

選考辞退の60%が内定後

入職してほしい人材には内定通知後に説得したり、手厚くフォローをすればよいと思っていませんか?しかし、内定通知後は本人に接触することが難しくなるため、複数法人の内定が出ている場合は辞退される可能性があります。必ず採用したい人材は、選考中から入職意欲を上げるコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが重要です。

<採用担当者と応募者のギャップ>

  • 採用担当者は内定を出したらほとんどは承諾してくれるだろうと思っている
    • 応募したのだから、入職したいはず
    • 内定を出してからフォローしても間に合う!
  • 応募者は職場の雰囲気や働く納得感を考慮して、ベストな選択をしたい
    • 複数の内定が出たので、迷って決められない
    • 採用された理由がわからず、決め手に欠ける

<内定通知後では遅い理由>

  • 内定通知後は応募者と会うことが難しい
  • 応募者は選考中に意思決定をする
  • 応募者は採用される納得感がほしい

選考中にできる!3つの内定辞退防止策

応募者は面接を通じて、職場の雰囲気を掴んだり、不安や疑問を取り除こうと考えています。面接では選考ばかりにこだわらず、面接官から働く魅力を説明しましょう。面接やメール・電話の連絡を通じて入職意欲をアップさせ、安心して働ける職場だということを継続的にアピールしていきます。さらに内定時に採用理由を伝えることで後押しができます。

【1】働く魅力を伝える

(応募者の声)
・今後、新しく導入したいことや働き方改革の魅力的な話が聞けて入職したいと思った
・資格支援制度や手当、研修参加などキャリアップの制度が整っていてよい職場と感じた

【2】不安や疑問を取り除く

(応募者の声)
・未就学児の子どもがいても、フォローすると具体的に制度の話をしてくれて安心できた
・一緒に働く同年代の職員と話せる機会があり、信頼できそうなので入職を決めた

【3】採用の理由を伝える

(応募者の声)
・成功も失敗も含めて過去の経験が活かせる職場と言われ、役に立ちたいと思った
・挑戦したかった役割を「あなたに任せたい」と言われた。とてもやる気になった

選考中に応募者の入職意欲を上げる方法

内定辞退防止の対策は選考中から始めるのが鉄則です。面接ではスキルや経験の確認に集中しがちですが、働く魅力や法人理念などの説明や応募者からの質問に答える時間も確保しておきましょう。また、選考中にメールや電話などで働き方や条件の確認などがあった場合は、わかりやすく丁寧に説明することが大切です。

働く魅力の伝え方

転職をすることで働き方や仕事の悩みが解決することをアピールします。キャリアプランや将来性の説明も応募者は魅力に感じます。求人広告では伝えきれない職場の雰囲気やスタッフの様子を知ってもらうことも有効です。

▶退職理由を元に魅力を発信
「人手不足が深刻で業務負荷が重すぎた。今後は、寄り添ったケアを行っていきたい応募者へ」

人員配置やケアの体制、業務負荷を軽減する取り組みの具体例を説明する。
法人理念に照らし合わせて、入職したら望んだケアができる理由を伝える。

▶資料や施設見学の活用
「職場の雰囲気や人間関係などを体感できる機会を設ける」

施設の設備やイベントの様子がわかる写真や、職員紹介などの資料を作成して見てもらう。

応募者と年齢や経験が近い職員に協力してもらい、実務に即した施設見学を行う。

不安や疑問の取り除き方

シフト、休暇、給与など聞きにくいことは面接官から切り出すと好印象です。質問に対してウソやごまかしの返答はNG。入職後の研修プランやフォロー体制をできるだけ具体的に説明すると働イメージがわき、入職意欲がアップします。

▶働き方のフォロー体制を発信
「シングルマザーで業務時間など働き方に制限がある応募者へ」

家庭の事情にできるだけ配慮する姿勢を示すため、時短利用の職員割合や実績を数字で伝える。

メリットの大きい福利厚生(育児、託児所手当など)やサポートに役立つ制度を説明する。

▶未経験者には教育プランを説明
「未経験や無資格で介護職にチャレンジしようとしている応募者へ」

入職後の研修やフォロー体制を説明する。資格取得の支援やキャリアアップの道を示す。

未経験や無資格で入職した職員の3ヶ月、半年、 1年後の活躍事例を伝える。

採用理由の伝え方

採用したい理由を本人に伝えましょう。なぜ採用されるのかがわかると自身が必要とされていると感じ、入職意欲がアップします。また応募者の経歴、スキル、考え方などを踏まえて「あなただから採用したい」「入職後活躍してほしい」と真剣な思いを伝えると入職の後押しができます。

▶必要な理由を説明する
「内定をもらえるのはありがたいが、なぜ採用されたのか 理由がわからないと迷っている応募者へ」

前職までの経験やスキルが具体的にどのように活かせる職場なのかを説明する。

採用理由に加えて、入職後の役割や任せたい業務を詳しく伝える

▶熱心さが伝わるように接する
「応募者は信頼できる、一緒に働きたいひとがいる職場の内定を選ぶ」

良いことも悪いことも正直に話す

連絡や手続きは素早く対応する

ダメージが大きすぎる内定辞退

採用活動で最もダメージがあるのは内定辞退です。採用担当者の精神的なショックだけではなく、選考に費やした時間やコストもすべて無駄になってしまいます。内定を出した人材には確実に入職してもらえるよう、選考中から内定辞退を防止する対策を行いましょう。

辞退の60%は内定後に起きている
介護人材の内定辞退が起きるタイミング
64%の法人が辞退対策をしていない
介護人材の内定辞退対策をしている法人の割合

内定辞退を防ぐためには選考中から対策

・内定辞退時間とコストが一瞬でムダに!
・人材不足のため内定後も他法人と競り合いが続く!

介護人材は売り手市場のため、内定後も他社との競り合いは続いています。内定辞退が起きると採用にかけた時間もコストも一瞬に無駄になってしまいます。応募者と内定通知後に接触し、フォローすることは難しいため、選考を行いながら信頼関係を築くことが重要です。

▶選考開始時から継続してフォロー
内定辞退の防止対策は内定通知後にフォローすればよいと考えがちです。しかし、大半の応募者は複数法人の選考を同時に進めています。選考段階から応募者の入職意欲をアップさせるコミュニケーションを取りましょう。

▶差別化のチャンス
多くの法人が内定辞退に課題を感じています。それにも関わらず、6割以上の法人が具体的な対策を行っていません。選考中から継続した内定辞退対策にすぐに取り組めば、他社との大きな差別化になり、欲しい人材を逃さずに済みます。