介護職にマッチした人材を見極める!
5つの選考ポイント
介護職に最適な人材を選考することが重要
介護職は誰でもできる仕事ではありません。未経験者、経験者に限らず、介護職にふさわしい資質を持ち合わせている人材を見極める必要があります。介護職にマッチする人材かどうかを判断するための5つの選考ポイントをご紹介します。
採用するべきでない人を入職させていませんか?
採用した人材の早期退職が多くて定着しない。トラブルを起こしたり、スキル不足で現場が混乱するなど「採用の失敗」を経験したことはありませんか?これらは選考時の判断があいまいな場合に起こりがちです。「人材を補充しても、すぐに離職」を繰り返していると採用業務の負担やコスト増の悪循環から抜け出せなくなってしまいます。
選考の現場で起きている3つの間違い
【1】面接官の主観(好き/嫌い)で判断
勘や経験に頼りがちになっていることが多く、面接官によるばらつきもある
【2】人手不足で選考が甘くなる
人数確保が目的になってしまい、問題や懸念点を感じても採用してしまう
【3】資格や経験を優先して判断
即戦力を求めがちなため、資格や経験などわかりやすいスキルで判断する傾向がある
選考の間違いが起きる要因とは?
面接官の勘に頼った判断や不足人材を補うことだけを目的とした採用はなぜ起きてしまうのでしょうか?それは、判断のものさしとなる「採用基準」が設けられていないことが要因。採用基準を明確にしておくことで、採用すべき人材を見極められます。また面接官や採用担当者による判断のブレがなくなり、公正で一貫性のある判断ができるようになります。
採用基準とは
・必要な能力・資質・適性について基準を持つ
・基準項目の点数化などで客観的に判断する
採用基準があると
・基準をクリアした人材を客観的に判断し、採用できる
・面接官の主観や複数の面接官による判断のばらつきがなくなる
介護職に必要なコミュニケーション力を構成する5つの要素
介護業務は誰でもできる仕事ではありません。利用者さまとの関わりでは高度なコミュニケーションが求められ、安全と命を守る役割も担います。業務を円滑に進めるためには職員同士の連携も必要。そのため、仕事を任せられる人材を選ぶためには、コミュニケーション力を構成する5つの要素が備わっているかを判断基準にすることが重要です。
コミュニケーション力を構成する5つの要素
【1】挨拶 | コミュニケーションの基本中の基本。重要視する |
【2】身だしなみ | 服装や髪型も大切だが、最も注意したいのは清潔感 |
【3】言葉遣い | 乱暴、横柄、タメ口などに注意。直すのが難しい |
【4】態度 | 威圧感に注意。足や腕を組む、ふんぞり返って座るなど |
【5】表情 | 口元や目元に注目。きつい印象や無表情はNG |
資格やスキルがあってもミスマッチは起きる
中途採用はどうしても即戦力になる人材を採用したくなります。とくに資格の有無や前職での経験はわかりやすいため、判断が甘くなりがち。言動に問題がありそうだと感じたのにも関わらず、採用するとミスマッチを引き起こします。資格やスキルは入職後に身につけることが可能ですが、コミュニケーション力は一朝一夕にはいかないため、注意が必要です。
ミスマッチ事例①資格はあるが利用者さまへの接し方に問題
【応募者】複数の介護系資格を取得。介護技術の熟練度も高いことを強調
【面接官】転職回数は多いが、経験は豊富なため採用。人の話を聞かず、一方的に話す態度が心配
【入社後に起きてしまったこと】業務を効率的にこなすこだわりが強く、利用者さまの気持ちをないがしろに。急かす応対がストレスを与えてしまい、体調を崩される方もいた。
ミスマッチ事例②スキルはあるが人間関係のトラブルが多い
【応募者】資格や経験に自信あり。即戦力として貢献できることをアピール
【面接官】役に立つ資格が多く、能力は高いと判断。一方で、威圧感や上から目線の発言が気がかり
【入社後に起きてしまったこと】経験が浅い、資格がない職員に対して、厳しく指導。職員同士で助け合う環境だったため、自信をなくし、退職する職員が続出してしまった。
面接ですぐに使える!介護職の採用基準チェックシート
コミュニケーション力を構成する5つの要素を確認するチェック項目がわかります。印刷して面接のときにご使用ください
介護職にふさわしい人材かどうかを見極める「採用基準」を設けておくことで、ミスマッチ人材を減らすことができます。円滑なコミュニケーションに必要な5つの要素を重点的に見極めて採用するとよいでしょう。