
トラブル人材を採用してはいけない理由とは
医療・介護業界では「人間関係」の問題は切っても切り離せません。トラブルの元となる職員が一人でもいると職場環境が悪化し、退職者が増える可能性があります。職員同士が助け合って業務ができる職場にするために、選考時にトラブルを起こしやすい人材かどうかを見抜くことが重要です。

※出典:(公財)介護労働安定センター「介護労働実態調査」
3つのタイプに要注意
現場では様々な価値観の職員が集まって、お互い協力しながら業務を行っています。医療・介護業務はチームワークが重要なため、特に人間関係でトラブルを起こしてしまいがちな3つのタイプには注意が必要です。それぞれの特性を面接官同士で共有しておくとよいでしょう。
<1>コミュニケーション不足の人材
「意思疎通が難しい」
・事故が起きやすくなる
・業務が滞る
・信頼関係が築けない
<2>不平不満が多い人材
「文句や愚痴を言う」
・険悪な雰囲気になる
・業務分担が偏る
・悪口が蔓延してしまう
<3>自己中心的な人材
「自分の意見を押し通す」
・個々が意見を言えない
・周囲が振り回される
・不公平感が漂う
退職理由を掘り下げて見抜く
応募者の退職理由からどのような人柄かを見抜くことができます。回答で気になったところを深堀して質問をすることで、本心に触れることができます。欠点がない人はいません。もし、応募者に自覚があり、努力して克服しようとしていると感じた場合は、神経質にならなくてもよいでしょう。
<1>コミュニケーション不足の人材
(よくある退職理由)
「仕事を教えてもらえず、苦労した」
「チームワークが悪く、業務負担が大きかった」
◆深堀質問で見抜く◆
【Q】業務上の不明点はどうしていましたか?
【Q】〇〇さんの考えるチームワークとは?
<見抜くポイントは人間関係の築き方>
・上司や同僚など他者をマイナス要因にとらえている場合は、改善するために応募者がどのような行動をしたのか尋ねましょう。
・チームワーク、円滑な、風通しのよいなど抽象的な回答があった場合は、応募者の具体的な考え方を探りましょう。
<2>不平不満が多い人材
(よくある退職理由)
「人間関係の悪さに嫌気が差した」
「無駄な業務やサービス残業が多すぎた」
◆深堀質問で見抜く◆
【Q】具体的にどう関係が悪かったのですか?
【Q】業務改善の提案したことはありますか?
<見抜くポイントはマイナス面の対処>
・誰の何がマイナス要因なのかを聞き、応募者がどう向き合ったかや改めたなどの行動を確認しましょう。
・状況を改善するために応募者がアクションをしたかを尋ねましょう。何も行動していない場合は要注意です。
<3>自己中心的な人材
(よくある退職理由)
「施設長がワンマンでついていけない」
「職員の能力が低く、成長できない」
◆深堀質問で見抜く◆
【Q】他の同僚はどう感じていたと思いますか?
【Q】〇〇さんがサポートされていたのですか?
<見抜くポイントは周囲との関わり方>
・マイナス要因を周囲がどう捉えているか、協力して状況を改善しようとしていたかを確認しておきましょう。
・一方的に他者を見下していないかを確認します。仕事ができても他者をフォローできないタイプは要注意です。
タイプ別の口ぐせと態度に注目
面接中の言動から問題を起こしやすい人材なのではと心配になった場合は、タイプ別の追加質問で理解を深めましょう。また、態度や口ぐせなども判断材料になります。新しい仲間として、活躍中の職員と調和していけるかという視点も重要です。
<1>コミュニケーション不足の人材
面接は初対面なので誰でも緊張します。しかし、会話が成立しない場合は慎重に判断しましょう。
(追加質問例)
【Q】苦手なタイプの上司や先輩とのコミュニケーションには何が大切だと思いますか?
【Q】初対面の利用者さんと接するときにどのようなことを心がけていますか?
【Q】〇〇さんは上司や同僚から客観的にどのように見られていると思いますか?
<注意したい口ぐせ>
「特には…」、「どちらでも」、「あー」、「えー」
<注意したい態度>
・目を合わせない
・人の話を遮る
・相づちがない
<2>不平不満が多い人材
会話の中で否定やマイナス発言の割合が多い場合は、要注意です。
(追加質問例)
【Q】職場の雰囲気が悪いと感じたときに〇〇さんなら何ができると思いますか?
【Q】業務やルールを見直した方がよいと気がついたら、どのような行動をしますか?
【Q】自分の考えと異なる方針の指示を受けたとき、〇〇さんはどう対処しますか?
<注意したい口ぐせ>
「でも…」、「だって…」、「いや、それは」、「どうせ」
<注意したい態度>
・他者の批判が多い
・すぐに反論する
・ふてくされる
<3>自己中心的な人材
自己主張が強すぎる、周りを見下す発言が多い場合は、気をつけましょう。
(追加質問例)
【Q】〇〇さんばかりに業務が集中してしまったらどうしますか?
【Q】間違いを指摘されたときは、どのような反応をすることが多いですか?
【Q】〇〇さんの意見やアイデアが受け入れられないときはどうしますか?
<注意したい口ぐせ>
「私が!」、「私なら…」、「ですよね!」、「じゃないですか?」
<注意したい態度>
・都合が悪くなると黙る
・急に攻撃的になる
・感情的になる
まとめ
トラブルを起こしやすい人材を選考で見抜くためには、あらかじめ「タイプ」とその「特徴」を把握しておくとよいでしょう。応募者が当てはまりそうだと感じたら、質問の回答や振る舞いから慎重に判断します。定着、活躍する人材を採用するために選考は重要です。しかし、最初から応募者の悪い面やアラ探しをせず、フラットな気持ちで応募者とコミュニケーションをとり、面接を進めていきましょう。


