スキルと人柄の両面から業務を任せられる人材を判断

「応募者に“責任感ありますか?”と聞くと、ほとんどの人が『はい』と答えます。でも、本当に責任感のある人材かどうか、見極めに悩んでいませんか?」本記事では、介護・医療・福祉の現場で活躍できる“責任感のある人材”を見抜くための8つの質問と、面接時の見極めポイントを紹介します。

中途採用では即戦力人材を採用したくなります。しかし、面接ではスキルや経験だけでなく、応募者の仕事に対する姿勢や人柄に注目して選考することが重要です。人柄に魅力のある人材は現場にフィットしやすく、長期的に活躍する可能性が高いです。

面接で応募者の人柄・価値観・考え方を引き出すための質問をいくつか準備しておきましょう。

なぜ「責任感」が大切なのか?

介護・医療・福祉の現場では利用者の健康や安全を守る役目があります。責任感のある人材は、与えられた業務を確実に行い、問題が発生した際にも自ら解決策を見つけて行動する力を持っています。個々が責任を果たせるチームは信頼感が醸成されやすく、安定した組織運営とサービス提供が行えます。

<責任感が必要な場面>
・情報の伝達・記録
・健康・食事・栄養・薬管理
・緊急時の対応
・事故・怪我の報告

<必要な3つの要素>
・倫理感・誠実さ
道徳的・倫理的に正しい行動を選択できる。ウソやごまかしがない。

・問題解決力
冷静に状況を把握し、適切な対応ができる。逃げずに向き合う。

・管理能力
時間や自己の健康管理ができ、高いパフォーマンスを発揮できる。

責任感の有無を見極める8つの面接質問

責任感はありますかと聞いても、多くの応募者は「はい」と答えます。「はい」か「いいえ」で答えられる質問ではと本心はわかりません。応募者の人柄をより深く知るために「状況・行動・課題・結果」を切り口にした8つの質問と見極めポイントを紹介します。※面接時間には制限があります。応募者の経歴に合ったものを数問選んで聞いてみましょう。

【状況を切り口にした面接質問例】

状況を客観的に把握できるかや仕事への向き合い方を確認できます。

<質問1>
予期せぬ状況に直面したときのエピソードがありましたら教えてください。

(見極めポイント)
急なトラブルや予期せぬ出来事に焦らず、冷静に対応できるかを見極めます。自分の役割をきちんと理解し、その範囲内で責任を持って行動していれば、責任感の強い人材です。感情的にならず落ち着いて行動していたかも注目したいポイントです。

<質問2>
利用者(患者)のケアで責任を感じるのはどのような時ですか?

(見極めポイント)
応募者が責任感をどのようにとらえ、実際の業務にどう反映させているかがわかります。自分が担うべき役割を理解し、その責任を全うする姿勢があるかに注目しましょう。利用者(患者)の健康状態や安全を守ることを意識しているかも判断材料となります。

【行動を切り口にした面接質問例】

利用者(患者)や職員に対して責任を果たす具体的な行動ができるかを確認できます。

<質問3>
自分の役割や責任を果たすために、どのような自己管理をしていますか?

(見極めポイント)
役割や責任を果たすためには、業務・体調管理が重要です。仕事の優先順位をつける、業務の進捗管理や、心身のセルフケアを実践しているなどなど具体的なエピソードが聞ければ、良いパフォーマンスを継続できる人材だと判断できます。

<質問4>
業務や対応が難しいと感じた時、どのようにして責任を全うしましたか?

(見極めポイント)
困難な状況でどのように行動するかで、責任感の有無がわかります。厳しい状況でも自分にできる対応ができていたか、他者に責任を押し付けていなかったかを確認します。また、一人で解決できなくても周囲と協力できる人材も高評価してよいでしょう。

【課題を切り口にした面接質問例】

過去に直面した課題に対して、どのように責任感を持って取り組んだかを探ります。

<質問5>
すぐに解決できない課題に対し、〇〇さんはどう取り組みますか?

(見極めポイント)
取り組んだ内容から、応募者が課題を放棄せずに最後まで向き合う姿勢、自分の責任として課題に取り組む意識、解決に向けて粘り強く努力し続ける姿勢があったかを確認しましょう。長期に渡る課題は責任感がないと解決、対応できません。

<質問6>
自分の担当範囲外の業務や問題に直面したら、〇〇さんはどう対応しますか?

(見極めポイント)
応募者が自分の担当外でも必要であれば、責任をもって取り組むという考え方であれば、責任感があると判断できます。また、自分で状況を判断して、然るべきところに連携する、解決できる範囲で協力した場合も自分の役割を全うできる人材です。

【結果を切り口にした面接質問例】

応募者の行動や責任感がどのような結果をもたらしたかを評価します。

<質問7>
もっと責任感を持って対応すればよかったと後悔した経験はありますか?

(見極めポイント)
まず、マイナスのエピソードを正直に話せる応募者は誠実です。責任感がある人材は後悔や失敗と自分の責任を結び付けて考えられます。「反省を通じて学んだことを業務に活かしたか」まで確認するとよいでしょう。

<質問8>
自分の責任を果たして、利用者(患者) の満足度が高まった経験はありますか?

(見極めポイント)
成功体験から、応募者の強みや責任感の強さを判断できます。「最後まで誠実に対応した」「状況に合わせて臨機応変に対応した」「職員間で連携・協力した」など信頼できるエピソードが聞ければ安心です。良い結果を出すために努力できる人材は責任感があると判断してよいでしょう。

ワンランク上の面接質問テクニック

初対面同士の会話はどうしてもお互いぎこちなくなります。面接官は応募者の緊張を和らげ、話しやすい雰囲気を作ることで、本音を引き出しやすくなるでしょう。また、応募者の考え方や価値観を深く知るためには、たくさん質問するより、1つの質問の回答について具体的なエピソードを聞く、詳しく説明してもらうと、人となりが見えてきます。コミュニケーション力がある人材を採用したい面接官の方は、ぜひ本記事の8つの面接質問をお試しください。

テクニック:応募者の名前を入れて質問
名前を呼ぶことによって応募者との親近感がアップ。質問に答えやすくなります。

テクニック:掘り下げワードで本音に迫る
応募者の回答に「なぜ?」「具体的には?」でさらに深掘りすると本心に近づけます。

責任感のある人材は、現場の安定や利用者の信頼につながります。今回ご紹介した8つの質問を活用して、応募者の責任感をしっかりと見極める面接を実施してみてください。