若手人材の働く価値観を知って採用率アップ

労働力人口に占める若年労働人口は年々減少していきます。これに伴い、職員の高齢化も進んでいきます。経験豊富な労働力も大切ですが、未来を担う若手(20代から30代)の力も不可欠です。若手人材の採用を成功させるためには、若手特有の価値観を理解して、採用活動や職場環境の整備をするとよいでしょう。

<バランス重視の価値観>
20代から30代の若手人材は仕事とプライベート、どちらも充実させたいと考えています。
・社会貢献、やりがいが必要
・能力や経験を身につけて成長をしたい
・プライベートの時間をしっかり確保したい
・労働に見合った収入がほしい

データでわかる若手人材の価値観

飲み会に参加したくない、残業できないなど「プライベート重視」のイメージがありますが、若手人材は、仕事に真摯に向き合い、学習・成長したいと考えています。アンケート調査によると「自己成長」に関する項目が上昇傾向にあります。医療・介護職は専門性の高い知識やスキルが身につく、様々な資格取得ができるなど、豊富な成長機会をアピールするとよいでしょう。

※出典:働く10,000人 成長実態調査2022 (パーソル総合研究所)

若手人材の退職理由
一方、厚生労働省の若年者雇用対策の現状等についての資料によると、若手人材の退職理由は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」が1位になっています。若手人材の成長意欲を持ちつつ、条件とのバランスを取るのが重要なポイントと言えるでしょう。

若手人材が応募したくなる求人広告の作り方

若手人材は将来的に知識やスキルが身につき、プライベートとの両立ができる職場を求めています。求人広告では仕事内容と待遇の記載を工夫すると魅力が伝わりやすくなるでしょう。結婚や育児などを控えている若手人材に向けて、育休や時短などの制度を詳しく記載しておくと働き続けられる職場だと感じてもらえます。

◎記載する際のポイント
・高給だけれど激務より、給料と休日のバランスが取れていることが重要
・研修や、身につくスキル・知識など将来の成長性をアピール
・若手の職員の画像を掲載(同年代が活躍していることで安心感を与えられる)

◆求人広告の「待遇」ビフォーアフター◆
(ビフォー)
<給与>
月給 232,500円〜
賞与あり
昇給あり

<休日>
週休2日
年次有給休暇、夏季・年末年始休暇、育児休暇、看護休暇あり

(アフター)
<給与>
月給 232,500円〜※夜勤手当 3回含む
賞与あり:7月、12月(前年実績1.7か月/1回分)
昇給あり:年1回 (人事評価制度に基づき決定)
モデル年収(介護福祉士の資格あり)20代後半:365万円、30代後半:443万円
◎ポイント◎ 将来的な年収の目安がわかるとやる気UP

<休日>
週休2日(月2回希望休が取れます)
年次有給休暇(初年度10日)消化率は90%以上取得しやすい環境です。夏季、年末年始はシフト制ですが3連休があります。
◎ポイント◎ プライベートと両立できるイメージがわく

◆求人広告の「仕事内容」ビフォーアフター◆
(ビフォー)
<仕事内容>
入居者の方の食事・入浴・排泄の介助等

<勤務時間>
4交代制
※休憩1時間(夜勤休憩2時間)

(アフター)
<仕事内容>
入居者の方の食事・入浴・排泄の介助等
入社後1か月の研修期間を経て先輩とペアで業務を行います。また会社の費用負担で「初任者研修」の資格取得ができます。
◎ポイント◎ 充分な研修は安心感とスキルアップの期待感増

<勤務時間>
①7:00~16:00 ②9:00~18:00 ③12:00~21:00 ※休憩60分
④16:00~翌10:00 ※休憩120分
※フレックスや時短などライフスタイルに合わせた勤務も可能です。
◎ポイント◎ 具体的な勤務時間や勤務体制は入社後の働き方をイメージできる

面接は選ぶから「選ばれる」へ視点をチェンジ

若手人材は即戦力として判断するのではなく、将来性を見越し、考え方や性格を重視した選考方法がおすすめです。面接では若手人材が「ここで働いてみたい」と感じるように職場の魅力や将来性、不安の解消に力を入れると若手人材から選ばれる職場になります。また、横柄な態度や経験不足を指摘するのはNG!質問には丁寧に回答しましょう。

若手人材の不安面接でフォローしておきたいポイント
(待遇)結婚や出産・育児後も働き続けられるのか?育児休暇・時短勤務などの制度や取得状況を伝える
子育て世代にあった具体的な制度を説明することで、ライフスタイルが変化しても働き続けられると納得できます。
(業務・教育)どのような業務をするのか、自分にできるのか?具体的な業務内容とサポート体制があることを伝える
業務内容を詳しく紹介し、スキルを身につけるための研修や教育の仕組みを説明すると安心して挑戦してもらえます。
(将来性)入社後に身につくスキルやキャリアの選択肢はなにか?キャリアパスや目指せる職種や役割を説明する
5年後、10年後の役割やポジションの例示や収入の目安など、将来性を感じてもらうことで、期待を高められます。

まとめ

医療・介護職は社会貢献度が高く、専門知識の習得や国家資格の取得も可能です。職種や役割も幅広く、自分に合ったキャリアを選べます。またサービス形態によって勤務体系の選択肢が多いので他業界より柔軟な働き方もできます。若手人材の求める仕事像に近く、アピール次第で大きな採用のチャンスがあります。

◆アピールポイント◆
・社会貢献度が高い
・資格取得ができる
・専門知識が身につく
・働き方が選びやすい
・需要が絶えない業界

◆アピール+不安解消のポイント◆
(求人広告でできること)
・資格取得サポートや資格手当を明記
・仕事と家庭の両立を支援する制度紹介や活用事例を記載
・活躍中の若手職員の写真やインタビューの掲載

(面接でできること)
・研修や教育体制を説明し、挑戦しやすく
・質問には真摯に、わかりやすく答えて信頼感アップ
・職場見学や説明会は若手職員に協力してもらう

少子高齢化が改善することは難しく、若年人材は年々減少していきます。20代から30代ならではの働く価値観やライフスタイルを理解し、求人募集や選考することで、採用成功率がアップするでしょう。