
判断基準があいまいだと採用は失敗しやすい
採用面接でよくある失敗は、「いい人そうだから」「経験があるから」といった一瞬の印象や表面的な要素だけで採否を決めてしまうことです。その結果、入職後に「職場の雰囲気と合わない」「求めていたスキルが不足している」といったミスマッチが起こり、早期退職につながるケースが少なくありません。

採用ミスの背景には、面接官ごとに評価の基準がバラバラ、必要な条件が明確に整理されていないといった“判断軸のあいまいさ”があります。
※本記事を最後までお読みいただくと「採用基準シート」を無料でダウンロードできます。
<失敗の典型的パターン>
・評価基準があいまい
・面接官ごとに判断がバラバラ
・求める要件が共有されていない
→このような選考判断は、早期退職や職場環境の悪化につながるおそれがあります。
採用基準を“4分類”で整理
採用の判断を迷わず、かつ全員で統一するには「基準の可視化」が欠かせません。採用基準を 「MUST・WANT・NOT・NG」 の4つに整理することで、面接官ごとの判断のブレを防ぎ、採否の根拠を共有しやすくなります。これにより「なんとなくの印象採用」から脱却し、より精度の高い判断ができるでしょう。
MUST/ないといけないもの
これがなければ採用できない必須条件
WANT/あった方がいいもの
必須ではないが、あればプラスになる条件
NOT/ない方がいいもの
望ましくない要素で減点対象となる条件
NG/あってはいけないもの
採用を進めるのが難しくなる重大な条件
上記の4分類をおさえておくだけで、採用判断の基準がシンプルに整理され、すべての面接官が同じ視点で応募者を評価できるようになります。
採否を見極める4つの視点
採用判断の迷いを減らすには、応募者を評価する基準をシンプルに整理しておくことが大切です。ここでは、判断基準を 「MUST」「WANT」「NOT」「NG」 の4つに分け、それぞれが何を意味し、どう見極めればよいのかを具体的に解説します。
【MUST:ないといけない要件】
MUST要件は、これがなければ採用できない必須条件です。応募者を比較する前に、まず満たしているかどうかを確認します。
◆資格・免許
介護福祉士、看護師、保育士など法律や業務上必須のもの
◆求人情報に記載された募集要件
「夜勤対応可否」「勤務日数」「勤務地への通勤圏」などの“前提条件”
◆職務の基本姿勢
あいさつや言葉づかい、身だしなみなど社会人としてのマナー
(見極めポイント/採否基準)
▶質問で確認
「必須資格はお持ちですか?」「夜勤は対応可能ですか?」など明確に確認する。
▶応募書類の裏取り
資格証明や職歴の事実確認を必ず行う。※不明点は面接で具体的に尋ねる。
▶あいまいさを残さない
「多分できます」といった不確かな回答はリスクと捉える。

MUST要件を満たさない場合は、他の条件が良くても採用は見送るべきです。
【WANT:あった方がいい要件】
WANT要件は、必須ではないが、あればプラスになる条件です。応募者を比較するときや最終判断に役立ちます。
◆実務経験
現場での経験、特定の業務スキル
◆協調性・コミュニケーション力
チームでの連携や利用者・家族との関係づくりが得意
◆成長意欲
新しい知識やスキルを学ぼうとする姿勢、キャリアアップへの意欲
(見極めポイント/採否基準)
▶質問で深掘り
「なぜ?」「具体的には?」と掘り下げて聞き、本音や行動の背景を確認する。
▶具体例を確認
単なる自己評価ではなく、行動や成果の具体的エピソードを聞き取る。
▶将来像を共有
成長意欲や職場との方向性が合っているか確認する。

WANT要件は“加点材料”。満たさなくても不採用には直結しません。
【NOT:ない方がいい要件】
NOT要件は、望ましくない要素で減点対象になる条件です。ただし即不採用ではなく、他の強みとのバランスを見ながら判断します。
◆転職回数の多さ
短期離職を繰り返している、キャリアが安定していない
◆あいまいな退職理由
「なんとなく」「合わなかった」といった説明で、具体性がない。
◆協調性の不足
自己主張が強い傾向があり、チーム内での調和に不安
(見極めポイント/採否基準)
▶応募書類の確認
職歴や勤続年数をチェックし、不自然な短期離職が続いていないか確認する。
▶質問で掘り下げ
退職理由やキャリアプランの背景を具体的に尋ねる。
▶面接でのやりとり
時間を守る姿勢、相手の話を聞く態度などから協調性を見極める。

NOT要件は“注意材料”。不採用に直結しないが、慎重に判断しましょう。
【NG:あってはいけない要件】
NG要件は、採用を進めるのが難しくなる重大な条件です。組織に悪影響を与える可能性が高く、採用を見送る判断につながります。
◆他者への敬意を欠いた言動
発言や態度が横柄、攻撃的、見下すようなもの。
◆勤務条件の根本的不一致
夜勤が必須なのに対応不可、距離的に通勤が困難など(条件提示後に発覚)
◆協調性が極端に欠ける姿勢
「人と関わりたくない」など、現場で明らかに適さない発言や態度
(見極めポイント/採否基準)
▶面接での受け答え
他者への敬意を欠く発言や攻撃的な態度が見られないか注意する。
▶条件面のすり合わせ
シフトや勤務地など、根本的に合わない条件がないかを事前に確認する。
▶回答の内容に注目
「一人が気楽」「人付き合いが苦手」といった発言がある場合は要注意。

NG要件は“採用できない条件”です。該当する場合は、不採用と判断しましょう。
さいごに
採用の判断基準を MUST・WANT・NOT・NG の4つに整理することで、印象に左右されない客観的な評価ができます。また面接官同士の判断のズレを防ぎ、採用会議での合意形成もスムーズになります。記事の最後に自社の採用基準を整理できる「採用基準シート」 をご用意しました。MUST・WANT・NOT・NGの欄に該当項目を記載すると、面接で使える“自社専用の採用基準シート”が完成します。


