【2023年版】人材紹介会社のメリット・デメリットとは?
介護施設・事業所を運営する皆さま、開業を考えられている皆さまは、十分な介護人材の採用はできていますでしょうか? 超高齢社会である現在の日本において、厚生労働省の推計では2025年度に253万人の介護人材の需要が見込まれている一方、介護人材の不足が言及されています。
事業を経営していく上で何よりも大切になってくるのは、“人材”というリソースです。多様化するニーズに対応するため、スキルの高い専門的な介護人材を効率的に採用できるかどうかが、競合他社との差別化を図り事業を軌道に乗せて行く上で重要になってきます。
そこで今回の記事では、良質な介護人材を採用するために皆さまがご活用を検討されるであろう「介護人材紹介会社」に関して、そのメリット・デメリットを中心に説明していきます。興味のある方はぜひご一読いただき、今後の経営にお役立てください。
介護人材紹介会社とは
介護人材紹介会社は、介護事業を運営する事業者から人材紹介依頼があった際、登録している求職者の中から、職種や経験年数、資格の有無、勤務時間や勤務地など双方の希望がマッチングする人材を紹介します。マッチングが済めば面接の調整を行い、採用が決まれば事業者は求職者と直接雇用契約を結びます。事業者は雇用契約が成立した時点で、人材紹介会社に紹介料を支払います。
事業者は求職者と雇用契約を結んで直接雇用するため、給与や福利厚生などは人材紹介を受けた事業者の社内規定に基づきます。
介護人材紹介会社を利用するメリット・デメリット
それでは、介護事業者が介護人材紹介会社を利用するメリットとデメリットには、それぞれどのような点があるのでしょうか。
メリット
介護事業者が介護人材紹介会社を利用する際のメリットを説明します。メリットを正しく把握して、介護人材紹介会社を効果的に活用できるケースを知っておきましょう。
事業者と求職者のミスマッチを無くすことができる
介護事業者が希望するキャリアやスキル、人間性など重要なポイントを介護人材紹介会社に伝えることで、希望に合う人材を紹介してもらうことができます。また、求職者側も介護事業者の求める条件をもとに就職先を検討するので、イメージと実際の仕事とのギャップが少なくなり、結果として両者のミスマッチを軽減することができます。
費用対効果を確実に得ることができる
介護事業者が介護人材紹介会社へ費用を支払うタイミングは、採用が決定した後の、いわゆる「成功報酬型」と呼ばれる報酬体系が一般的です。採用実績に対してのみ費用を支払えばよいため、費用対効果を確実に得ることができます。そのため、面接~内定まで進んだとしても、結果的に採用とならなかった場合は紹介料が発生しません。
また、求職者が入職した後、短期に自己都合で退職となった場合は、介護人材紹介会社の規定に則って紹介料が返金されます。
採用にかける内部コストを削減できる
一般的な求人募集において介護事業者の人事・採用担当が行わなければならない、「求人媒体の選定」「求人情報の作成」「求人の掲載依頼」「求人掲載費用の管理」等も、介護人材紹介会社を利用すれば行う必要はありません。
質の高い人材を獲得することが出来る可能性が高い
介護人材紹介会社は、事業者の希望に合った登録者をあらかじめ選考し、その中から事業者に人材を提案してくれます。そのため、求職者のスキルや経験などあらかじめ要望を出しておくことで、理想に近い質の高い人材を獲得出来る可能性が高くなります。
採用を急いでいる場合にも対応してもらえる
一般的な求人募集の方法では、求人広告や求人サイトへの登録、求職者からの連絡待ち、書類選考等の時間がかかってしまいますが、人材紹介会社を活用することで、事業者の希望する人材をすぐに紹介してもらい、面接に進むことができます。上手く条件がマッチすれば、介護人材紹介会社への依頼から数日内で採用決定することも可能です。
デメリット
介護事業者が介護人材紹介会社を利用する際のデメリットを説明します。デメリットも把握しておくことで、より効果的な活用を検討することができます。
採用コストが、自社への直接応募で採用した場合よりも高い
介護人材紹介会社を通じて求職者を雇用した場合、紹介料が発生します。紹介料は入職者の想定年収の20%~30%が相場となります。場合によっては、直接応募に比べ人数分の紹介料がかかることを考慮しましょう。
登録者からの採用となる
介護人材紹介会社は比較的都心部に多く、地方では人材紹介会社、登録者ともに少ない傾向です。人材紹介を依頼した会社の登録者数が少ない場合、紹介される人材が限定される場合もありますので、依頼時に、条件に合った人材をどれくらい紹介してもらえそうかを確認しておくことが、介護人材紹介会社を上手に活用するコツになります。
意外性のある求人との出会い
介護人材紹介会社では即戦力となる資格・スキルを有した人材の紹介に強みを持つ反面、「未経験・無資格だけど介護に向いている可能性がある」といった、意外性のある求職者に出会うことは少ないかもしれません。新卒採用を始め、入職者の育成を前提としたポテンシャル採用を考えている場合は、他の求人方法も合わせて検討するとよいでしょう。
介護人材紹介会社を利用した際にかかる費用
事業者が介護人材紹介会社に支払う報酬は、法律により紹介手数料の上限金額が定められており、一般的には入職者の想定年収の約20%~30%となっています。報酬が年収の20%である介護人材紹介会社で人材を採用した場合、想定年収350万円であれば(350万円×20%=)70万円の採用報酬が必要になります。管理職クラスの人材や、ケアマネジャーなど特定の資格を持つ人材であれば、採用報酬はより高額になることが予想されるため、採用計画を立てる際は報酬額の目安についてもあらかじめ検討しておきましょう。
介護人材紹介会社と介護人材派遣会社の違い
介護人材紹介会社と合わせて、人材採用の際によく検討されるサービスに「介護人材派遣会社」があるかと思います。それぞれの違いを知って、より戦略的な採用活動を行いましょう。
介護人材派遣会社は、介護事業を運営する事業者から人材派遣依頼があった際、雇用関係にある派遣労働者の中から、職種や経験年数、資格の有無などの条件が合う人材を一定期間派遣します。雇用主は派遣元事業主となり、派遣労働者は人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先である事業者の指揮命令関係のもとで勤務に就きます。派遣の期間が設けられているため、契約満了後も継続して派遣先事業主が勤務を希望する場合は、派遣継続の手続きをする必要があります。
派遣労働者への給与の支払、社会保険の手続き等は派遣元の介護人材派遣会社が行いますが、派遣先事業主は派遣元事業主に対し所定の派遣費用を支払う必要があります。
介護人材派遣会社を利用するメリット・デメリット
介護事業者が介護人材派遣会社を利用するメリットとデメリットを、それぞれ簡単にまとめました。労働者派遣という制度上避けては通れないデメリットもあるため、しっかり確認しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・採用にかかる費用と手間を削減できる ・必要な人材を必要な期間だけ採用できる ・労務管理の手間を削減できる ・社員教育の手間と費用を削減できる | ・採用コストが、自社への直接応募で採用した場合よりも高い ・派遣期間の上限がある ・業務内容、業務時間が限定されている ・入職前の事前面接が禁止されている ・理念や企業風土に染まってもらうことは難しい |
介護人材派遣会社を利用した際にかかる費用
介護人材派遣会社を利用する際には、毎月派遣費用を支払うことになります。介護人材派遣会社は、派遣先元事業主から受領した派遣費用から、派遣労働者への給与・社会保険料などの支払等を行い、残った金額が介護人材派遣会社の利益となります。
介護人材紹介会社を選ぶ際のポイント
介護人材紹介会社を選ぶ際のポイントを5つご紹介します。
1.料金体系を確認する
介護人材紹介会社の料金体系は、「成功報酬型」と「前金支払い型」の2種類があります。多くの介護人材紹介会社は成功報酬型を採用しており、事業者が紹介された人材を採用した場合、成功報酬として想定年収の20%~30%を支払います。人材紹介会社によって支払率は異なり、人材が限られている場合や求めるスキルが高い場合、支払率が高くなる傾向にあります。料金体系は介護事業者と介護人材紹介会社との合意、契約のもとで決定されますので、介護人材紹介会社を選ぶ際には料金体系の確認が必要です。
2.保証制度を確認する
介護人材紹介会社から紹介を受け、採用・入職に至った人材が入社日から90日(場合により180日)までに自己都合で退職した場合、介護人材紹介会社は紹介手数料の一部返金、または無償で替わりの人材を紹介する「フリーリプレイスメント」にてサービス内容の保証を行います。契約する介護人材紹介会社の保証制度についても確認しておきましょう。
3.登録者人数を確認する
介護人材紹介会社に登録している求職者の数が多いほど、紹介出来る人材の幅が広がり、事業者も多様な人材の中から採用が可能となります。登録している求職者の職種や資格などは、人材紹介会社それぞれの強みがあるため、介護事業者の皆さまは希望する人材がより多く登録されている介護人材紹介会社を選び、求める人材に対応出来るかどうかを確認しましょう。
なお、求職者数が多い介護人材紹介会社を判断する一つの基準として、求職者に向けたサービス(研修や資格取得支援制度など)が充実している介護人材紹介会社は、登録者数が多い傾向にあります。
4.付帯サービスを確認する
人材紹介だけでなく、事業者と求職者が直接会って話せる就職フェア、転職説明会の開催や無料で求人広告を作成してくれる介護人材紹介会社もありますので、どのような付帯サービスがあるのか確認してみましょう。
5.介護に特化した人材紹介会社か
人材紹介会社の中には、幅広い業種や職種を取り扱っている会社もありますが、介護・福祉、あるいは介護・医療に特化した人材紹介会社では、独自に求職者を集めるネットワークや業界動向にも詳しいため、事業者と求職者のマッチングをより高い精度で行ってくれるでしょう。
介護業界に特化した人材紹介会社『カイゴジョブエージェント』は全国エリアに対応しており、専任のキャリアコンサルタントが貴社の要望をきめ細かくお伺いし、最適な人材をご紹介させていただきます。
まとめ
介護人材を確保する上で事業者の皆さまをサポートする「介護人材紹介会社」のメリット、デメリットを中心にご紹介してきましたが、一番大切なことは“信頼できる介護人材紹介会社であるか”どうかです。皆さまの介護施設・事業所で働く大切な人材を採用するのですから、事業者と求職者とのマッチングを行うコンサルタントと意思疎通ができ、求める人材像について理解してもらった上で適切な人材を紹介してもらわなければいけません。コンサルタントの情報収集能力が高いかどうかもポイントの一つでしょう。
人が人をケアする介護事業において、質の高い人材を採用できるかどうかは介護事業の成功に強い影響があると言っても過言ではありません。信頼できる介護人材紹介会社を活用してスキルの高い人材を確保し、利用者に満足いただける介護サービスを提供出来る介護事業者を目指しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。