人材不足で注目度アップ!社員紹介制度とは
労働人口減による人材確保の激化、早期離職が繰り返されることによる採用コストの増加など、人材採用を取り巻く環境は厳しくなる一方です。このような状況の中、コストを抑えつつ、自社に適した人材を採用できる手段として「社員紹介制度」が注目されています。本記事で、社員紹介制度の基礎知識と導入のポイントをおさえておきましょう。
※リファラル採用とも呼ばれる Referral:紹介・推薦
社員紹介制度は、既存職員に友人・知人を紹介してもらい、通常の応募と同様に選考して、採用を判断するものです。採用が決まったら、双方にインセンティブ(謝礼)を進呈するケースもあります。似たような採用方法に「縁故採用」があります。こちらは役員が身内や親せきを入社させるもので、選考は行われない(行ったとしても形式的)という違いがあります。
小・中規模法人こそ活用したい社員紹介制度
求人媒体では大手法人と同じ土俵で採用活動をするため、知名度やコスト面で不利になる可能性があります。しかし、社員紹介制度は職場の良さを熟知している職員が、自ら紹介者に入社をすすめるので規模はあまり関係ありません。紹介された側も応募前に職場環境がわかるため、ミスマッチが起きにくい採用手段です。
<社員紹介(リファラル採用)なら>
職場の雰囲気や働き甲斐を理解している職員が候補者に魅力を伝えてくれている。
採用課題を解決できる3つのメリット
社員紹介制度を活用した採用活動には3つのメリットがあります。1つ目は採用コストを大幅に削減できることです。2つ目はミスマッチが起きにくいため、人材が定着しやすいこと、3つ目は求める年代の人材を採用できる確率が高まることです。採用活動の課題を一気に解決できる可能性があります。
採用コストを大幅に削減できる | 採用時に双方に謝礼を支払うこともあるが、相場は5~10万円程度。人材紹介の相場(100万円/1名)と比較するとかなり低コストで採用できる。 ※謝礼(インセンティブ)がなければコストゼロ |
人材が定着しやすい | 既存職員が業務内容や社風に「合う」人材を見極めて紹介するため、採用基準が担保されている可能性が高い。候補者もあらかじめ働くイメージができているのでミスマッチが起こりにくい。 |
求める年代の人材にアプローチできる | 紹介してくれる友人・知人は同年代のケース多い。若手、主婦層、セカンドキャリアなど求める人材に近い職員に協力してもらうことで、希望する年代の人材を採用できる可能性が高い。 |
▶採用の悩みはありませんか?
人材紹介に頼りがちで採用コストが高くなっている、求人広告を掲載しても求めている年代やスキルのある人材からの応募がない、採用しても早期離職が多いなど、採用の3大お悩みを解決できる可能性の高い採用手段です。
導入前に確認しておきたいデメリットとは
最も重要なものは不採用時のリスクです。縁故採用と異なり、他の採用媒体経由と同様に選考をします。採用を約束するものではないことを事前に既存職員と候補者に周知しておくことが重要です。また紹介の時期が読めないため、急ぎの採用には不向きな面があります。
◆不採用時のリスク◆
不採用にした場合、双方の関係が悪化する可能性がある。※選考を甘くすると入職後トラブルが起こりやすい
(対策)
事前に社員紹介制度は「採用確約ではない」ことをしっかり伝える。
◆急ぎの人材補充が難しい◆
紹介できる人材を選定するのに、時間が必要。タイミングが合わない可能性がある。
(対策)
・採用計画(人数や時期)の共有
・他の採用方法と併用
スムーズな導入のための3つの基盤づくり
社員紹介制度を導入する際には明確なルールを定めてから、職員に丁寧に説明しましょう。導入の目的やメリットをしっかりと理解してもらうことが重要です。また積極的な利用を促すには「紹介したい」職場にするため、環境整備や待遇の改善なども同時に取り組むことも大切です。
【1】謝礼 | ▶謝礼を設定して利用促進 社員紹介制度を利用して採用・入職した場合は、入職祝い金などの名目で謝礼を進呈するのが一般的 ・対象:既存職員、紹介で入職した人材の双方へ ・相場:5~10万円/1名 ※役職や雇用形態よって設定 (注意) 高額すぎる謝礼は金銭目当ての紹介が発生しやすくなる |
【2】制度の説明 | ▶紹介方法や選考フロー、謝礼支払い基準の明示 紹介したい候補者がいたら誰に伝えればよいのか、選考フロー(書類選考や面接回数など)や謝礼の支払い時期を定めて、わかりやすく案内 ・重要:選考により不採用の可能性あり ・謝礼:入職後〇ヶ月後、試用期間終了後に進呈など (おすすめ) 窓口を設け、不安や疑問を解消できるようにしておく |
【3】職員へ協力依頼 | ▶目的とメリットを共有し、重要性をアピール 社員紹介制度を導入する目的や得られる効果を職員一人ひとりに理解してもらうことで、活用するモチベーションがアップ ・目的:人材不足の解消、マッチした人材の採用 ・メリット:人材が充足した働きやすい職場になる (おすすめ) 当事者意識をもってもらい、利用促進につなげる |
まとめ
社員紹介制度は、コストを抑えた採用や定着する人材の採用ができる可能性が高い手法です。また、社員紹介制度の活性化には職員の満足度向上がカギになります。職員の働く満足度が高いと知人や友人を自身の職場に紹介したくなります。社員紹介制度を浸透させ、採用を増やすには「職場環境の整備」も同時に行うと効果的です。