挽回が難しい第一印象

第一印象が重要なのは採用側も応募者も同じです。出会ってからたった6~7秒で決まってしまう第一印象。最初に悪い印象を与えてしまうと、後から挽回するのは難しいので注意が必要です。せっかくの応募を無駄にしないためにも“第一印象”を良くして応募者の心をつかみましょう。

応募者は職場の雰囲気、職員の様子に敏感です。採用担当者や面接官の印象が悪いと辞退されてしまう可能性があります。

<第一印象とは?>
・6~7秒で決まる
・挽回するのは難しい
・声・見た目が重要

電話対応と面接の第一印象が重要

応募者が第一印象を重視する場面は3つあります。応募時の電話対応面接当日の受付、そして面接開始時です。それぞれちがう職員が対応する可能性があるため、職場全体で共通認識をもっておくとよいでしょう。どれもたった「6秒」気をつけることで、応募者の入職意欲をアップできます。さっそく3つの場面で応募者の第一印象を悪くする対応をしていないかチェックしておきましょう。

◆応募時の電話対応でNGポイントをチェック
□ 第一声の感じが悪い
□ 何コールも待たせる
□ たらい回しにする

◆面接当日の受付でNGポイントをチェック
□ 怪訝な表情や態度で応対する
□ 案内をせず、受付で放置する
□ 入口付近が乱雑な雰囲気

◆面接開始時のNGポイントをチェック
□ 最初に挨拶しない
□ 表情が暗い/怖い
□ 開始時間に遅れる

電話は明るくはっきりとした「声」で

すぐにできる第一印象アップのコツを紹介していきます。まずは電話対応です。求人広告を見て応募連絡する求職者は緊張しているので、電話対応が悪い、不親切な案内は不安にさせてしまいます。採用機会を逃してしまうかもしれません。電話対応は声の出し方によって、受ける印象が大きく変わります。明るい「第一声」を意識しましょう。

【好印象を与える電話応対】

<普段より高めの声>
「声のトーン」が明るいと安心感を与えられます。
<はっきり話す>
相手に正確に伝わることでスムーズな会話ができます。
<挨拶・名乗る>
歓迎されていると感じ、関係性を作りやすくなります。

基本のトーク例:
(1)社名を名乗る:「はい、グループホーム〇〇芝公園です」
(2)お礼を伝える:「ご応募/お問い合わせありがとうございます」
(3)待たせない:「採用担当から、折り返しご連絡いたします」※担当者不在の場合

顔が見えない電話越しでも「声」で相手に表情が伝わります。忙しくて余裕がないときでも受話器をとる前は、軽く深呼吸して気持ちを切り替えてから応対するとよいでしょう。

面接当日受付は歓迎の気持ちを込めて

応募者は面接に来た際に「ここで働くことになるかもしれない」と、目にするものすべてが気になっています。面接官だけでなく、受付をした職員の印象も重要。歓迎の気持ちが伝わるように接しましょう。

【好印象を与える面接当日受付】

・受付:明るい表情と声で出迎えて、応募者の名前を確認します。
・挨拶:ご来社ありがとうございます、お待ちしておりましたなど歓迎の挨拶は好印象です。
※待ってもらう場合、椅子があれば勧めましょう。

スムーズな案内ができるよう、面接の予定日時を職員へ共有しておくとよいでしょう。来訪時に慌てることなく対応できます。

面接開始時は話しやすい雰囲気づくり

お互いに初対面の面接は第一印象がもっとも影響する場面です。面接官は応募者がリラックスして面接に臨める雰囲気を作りましょう。応募者の入職意欲を上げると同時に本音を聞けるメリットがあります。

面接開始時の3ステップ

(ステップ1)挨拶:応募者の目をしっかり見て、明るい表情と声で挨拶します。
(ステップ2)面接官の自己紹介:名前と役職(役割)を伝えます。
(ステップ3)アイスブレイク:天気などの話で、まずは雰囲気を和やかにします。

第一印象は見た目も大切です。ひとの五感で得られる情報のうち、視覚が占める割合がもっとも大きいと言われています。特に意識したいのは「清潔感」です。面接前に身だしなみを整える習慣をつけましょう。

(清潔感とは?)
□ しわや汚れのない服装
□ 整えられた髪・ひげ
□ きれいな靴
□ 汚れていない手・肌
□ 口臭・体臭・香水などの匂い

第一印象アップは採用成功の近道

第一印象の悪い応募者を不採用にした経験はありませんか。最初に感じた印象は、その後の評価にも大きく影響します。これは応募者も同様です。第一印象を決めるのは一瞬です。数秒工夫することで良い印象を与えられます。電話や面接の受付・開始時の印象を良くすると応募者に選ばれる職場になるでしょう。

【×求職者に敬遠される選考】
・職員の対応が不親切
・上から目線の選考
選ぶのは採用側だけという意識にならないようにしましょう。

【〇採用成功率が高い選考】
・全職員が好印象を意識
・丁寧で迅速な選考
求職者に丁寧に接することを徹底しましょう。

売り手市場が続いており、応募者は複数の職場を選べる状態です。このような状況の中、採用を成功させるためには工夫が必要です。一件の応募を大切にすることで、応募者が「ここで働きたい」と選ばれる職場になるでしょう。ぜひ、第一印象をアップする採用活動を取り入れてみてください。